月別アーカイブ: 2007年7月

ごみ箱に捨てる

PowerShell でもごみ箱を使いたい

Explorer でファイルを削除した場合、それは通常ごみ箱に移り、ごみ箱を空にするまでは保持されます。従って、うっかり間違えて削除してしまった場合でも復旧は簡単です。 ところが、PowerShell の Remove-Item で削除したファイルは、そのままダイレクトに消えてなくなります。これでは危険なので、ごみ箱に入れるスクリプトを作り、profile.ps1 で「rm」というエイリアスをつけて使っています。 レジストリキーなどファイルシステムでないものは、ごみ箱に入らずそのまま削除されますのでご注意ください。

ダウンロード

以下より、ファイルをごみ箱に入れるスクリプトをダウンロードできます。

 

用例

用例1: 引数で削除

PS> Remove-ToRecycleBin a.txt, b.txt

用例2: パイプラインで削除

PS> Get-ChildItem | Remove-ToRecycleBin

ShowDialog() をモーダルに

本当のモーダル

通常、PowerShell で System.Windows.Forms.Formを使ってモーダルダイアログ を表示するには、次のようにします。

PS> $form = New-Object Windows.Forms.Form
PS> $form.add_Shown({$form.Activate()})
PS> $button = New-Object Windows.Forms.Button
PS> $button.Text = '閉じる(&c)'
PS> $button.add_Click({$form.Close()})
PS> $form.Controls.Add($button)
PS> $form.ShowDialog()

しかし、これは本当のモーダルとは呼べません。

確かに、ダイアログボックスを表示している間は、コマンドレットの起動などを行うことはできませんが、PowerShell のコンソールウィンドウをアクティブにしたり、終了させたりすることは可能です。

コンソールをアクティブにできるということは、ダイアログが隠されてしまってユーザーの混乱を招く可能性があり、終了できるということは、中断の好ましくない場面で強制終了が簡単にできてしまうということになります。

意図があってこのような仕様にするならばともかく、Visual Studio .NET で作られたアプリケーションのような、本当にモーダルな動作が欲しい場合には困りますね。 そこで、次のようにします。

PS> $form = New-Object Windows.Forms.Form
PS> $form.add_Shown({$form.Activate()})
PS> $button = New-Object Windows.Forms.Button
PS> $button.Text = '閉じる(&c)'
PS> $button.add_Click({$form.Close()})
PS> $form.Controls.Add($button)
PS> $form.ShowDialog((Get-MainWindow))

強調された部分が変更点です。「(Get-MainWindow)」ではなく、「((Get-MainWindow))」のように括弧が二重になっていることにご注意ください。 おや?エラーがでますか?

PS> $form.ShowDialog((Get-MainWindow))
用語 ‘Get-MainWindow’ は、コマンドレット、関数、操作可能なプログラム、またはスクリプト ファイルとして認識されません。用語を確認し、再試行してください。発生場所 行:1 文字:26 + $form.ShowDialog((Get-MainWindow) <<<< )

それもそのはず。あなたはまだ必要なスクリプトをインストールしていません。次よりダウンロードし、PATH の通ったディレクトリに保存してください。。

ダウンロード

実装

Get-MainWindow.ps1 は、まず現在のプロセスのメインウィンドウのハンドルを取得します。これは、コンソールから起動した場合、コンソールウィンドウのハンドルになるはずです。

次に、取得したハンドルを使って、 System.Windows.Forms.NativeWindow を作ります。このクラスは、System.Windows.Forms.Control よりも軽量で、より低レベルなウィンドウ管理を行います。また、IWin32Window インターフェースを実装するので、ShowDialog() のオーナーとして使うことができます。


PowerShell の起動を高速化する

PowerShell の起動が遅い理由

PowerShell に限らず .NET Framework で構成されたアプリケーションは、OS起動後、初めての起動で大変時間がかかります。これには理由があります。

まず、.NET Framework 以前のアプリケーションは、「マシン語」と呼ばれる、 CPU が直接理解できる言語で書かれています。たとえ C 言語や VisualBasic などの「高級言語」で開発されたとしても、最終的にはマシン語に直さないと CPU はこれを実行できません。したがって、コンパイラやインタプリタが、翻訳の労を担います。

.NET Framework の場合、アセンブリは IL と呼ばれる中間言語で書かれています。中間言語ですから、これは直接実行できません。そのため、初めての起動では、JIT(Just In Time)コンパイラがこれをマシン語に翻訳します。

これが、.NET Framework アプリケーションの起動に時間がかかる理由です。

Ngen.exe

.NET Framework には、ネイティブ イメージ ジェネレータ (Ngen.exe) というツールが付属しています。

参照: MSDN「ネイティブ イメージ ジェネレータ (Ngen.exe)」

これは、IL で書かれたアセンブリをマシン語にコンパイルし、「ネイティブ イメージ キャッシュ」と呼ばれる場所にインストールするツールです。ネイティブイメージキャッシュにインストールされたアセンブリは、直接実行できますので、起動が高速化されるというわけです。

ダウンロード

以下のスクリプトを実行すると、現在ロードされているアセンブリを、すべてネイティブイメージキャッシュにインストールします。

 

追記

  • 2012年12月26日 Powershell は多くの動的ライブラリを読み込むため、ネイティブイメージが作成されていても、ディスクキャッシュの無い初回起動にはそれなりに時間がかかります。現在のパソコンでは処理速度の上昇により掲載当時よりコンパイル時間がかなり短くなりますので、ディスクからの読み取り速度の方が問題になるかもしれません。
  • 2012年12月26日 MSDN の「ネイティブ イメージの生成」によると、新しい .NET Framework では、ネイティブイメージは Ngen.exe を使わなくても自動的に作成されるようです。

メモリリークのない C# の実行

アプリケーションドメイン

前回、「PowerShell で C# の実行」では、メモリ内に動的アセンブリをコンパイルする方法をご紹介しました。しかし、この方法では、PowerShell を終了するまで解放できない動的アセンブリがメモリ内に次々に増えていくことを問題点として挙げました。今回ご紹介するのは、アプリケーションドメインを使ってアセンブリを解放する方法です。アプリケーションドメインについての詳細は、以下をご覧ください。

 

アプリケーションドメインを使う

.NET のプロセスは、1 つ以上のアプリケーションドメインで成り立っていて、アセンブリは、いずれかのアプリケーションドメイン内にロードされます。アセンブリだけを単独で解放する手段はありませんが、アプリケーションドメインを解放することで、そこに読み込まれたアセンブリが解放されます。そこで、新しくアプリケーションドメインを作成し、そこにコンパイル済みのアセンブリを読み込んで実行し、終了後にアプリケーションドメインを解放する、という方法を採ることにします。

 

ダウンロード

以下より、メモリリーク無しで C# を実行するスクリプトをダウンロードできます。

 

用例

前回の用例がそのまま使えますので、ご覧ください。ただし、前回の Invoke-Cs.ps1 では可能であった、「新しい型を作成して使用すること」が、今回の Invoke-CsRemote.ps1 ではできなくなっています。

用例: 新しい型の作成

PS > Get-Content hello.cs
class Program {
    static object Main()
    {
        return new Program();
    }
    public string Hello()
    {
        return "Hello World!";
    }
}
PS > $a = Invoke-Cs hello.cs
PS > $a.Hello()
Hello World!
    ※ Invoke-Cs では成功
PS > $a = Invoke-CsRemote hello.cs
"5" 個の引数を指定して "InvokeMember" を呼び出し中に例外が発生しました: "呼び出しのターゲットが例外をスローしました。" 発生場所 Invoke-CsRemote.ps1:70 文字:57 +         $result = [Runtime.Remoting.ObjectHandle].InvokeMember( <<<< ‘Unwrap’, ‘InvokeMethod’, $null, $objectHandle, $null)
    ※ Invoke-CsRemote では失敗

これはなぜかと言うと、新しい型を作成したアセンブリが別のアプリケーションドメインにあるために、型情報を読み込むことができないからです。

Invoke-Cs と Invoke-CsRemote の使い分け

Invoke-Cs は、 PowerShell を終了するまでアセンブリを保持し続けます。これはメモリリークの原因となりますので、できる限り Invoke-CsRemote を使うのが良いでしょう。ただし、新しい型を作る必要がある場合には Invoke-Cs のような方法を使わざるをえません。その場合でも、作ったアセンブリをその度に使い捨てにするのではなく、一度作成した型を何度も再利用することで、メモリリークを防ぐことができます。また、頻繁に同じ C# ソースを実行するようであれば、恒常的なアセンブリにコンパイルすることを検討すべきかもしれません。


PowerShell で C# の実行

なぜ C# なのか?

PowerShell は、プログラミング言語としての側面と、手軽なシェルとしての側面を持っています。このバランスは奇跡的ともいえるくらい絶妙なものですが、やはり本業はシェルということで、C# や VisualBasic.NET、JScript.NET などの本格的プログラミング言語に比べると、いくらか省略された機能もあります。

それらの機能が欲しいときには、本格的プログラミング言語に頼るのが最も簡単です。中でも C# は、.NET Framework のために生まれた言語であり、PowerShell の使う .NET Framework と高い親和性を持っています。

なぜすべて C# でやらないのか?

単に C# ソースをコンパイルして実行ファイルを作り、それを実行したのでは、コンパイルの工程が増えます。また、そのプログラムとは文字列しかやり取りすることができません。

インタプリタのごとく、C# のソースを与えれば即座に動き、また、文字列以外のオブジェクトをもやり取りすることができる、そんなことが PowerShell では可能です。

ダウンロード

以下より、C# ソースを実行するスクリプトがダウンロードできます。

用例

用例1: Hello World

PS> Invoke-Cs -Source @"
>> class Program
>> {
>>   static string Main()
>>   {
>>     return "Hello World!";
>>   }
>> }
>> "@
>> Hello World!

用例2: 引数

PS> Get-Content Add.cs
class Program {
    static int Main(int arg1, int arg2)
    {
        return arg1 + arg2;
    }
}
PS> Invoke-CS Add.cs -Argument (5, 15)
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メモリリークの問題

スクリプト中で他の言語を使うために、よく紹介されているのが、メモリ内に動的アセンブリを作る方法です。今回のスクリプトでも、その方法を使っています。

しかし、これにはひとつ問題があります。変数と違い、動的アセンブリは、ガベージコレクションされません。それどころか、一度作られた動的アセンブリは、PowerShell を終了するまで解放する手段がありません。つまり、そういうスクリプトは何度も呼び出すことによって、その度にメモリリークしていくのです。

以下のコマンドは、現在ロードされているアセンブリのリストを出力します。

PS> [AppDomain]::CurrentDomain.GetAssemblies()

これで調べてみると、 Invoke-Cs.ps1 を実行するたびに無名のアセンブリが追加されていることがわかります。もちろん、PowerShell を終了すれば解放されるので、通常の使い方では問題ないはずですが、常に例外と安全を考慮する、そして「使用上の注意」を減らすのが、正しい開発者の道でしょう。次回は、用途は多少制限されますが、メモリリークのないスクリプトをご紹介する予定です。


Set-Location を取り替える

Move-Location.ps1 は、標準コマンドレットの Set-Location の代替えとなるスクリプトです。私は、profile.ps1 中で Remove-Item Alias:cd; Set-Alias cd Move-Location として、「cd」コマンドで起動するようにしています。
このコマンドには、以下の特徴があります。

  1. ロケーションが変わるたびに以前の位置を pushd する。
  2. 引数や入力を何も与えずに起動すると、直前の位置を popd し、現在の位置を pushd する。
  3. 引数 -b (-Browse) と伴に起動すると、GUI によるフォルダ選択ができる。

用例:

C:> Move-Location 'Documents and Settings'
C:Documents and Settings> 'デスクトップ' | Move-Location
C:Documents and Settingsデスクトップ> popd
C:Documents and Settings> popd
C:> Move-Location -b
C:Documents and SettingsflameworkMy Documents> Move-Location
C:> Move-Location
C:Documents and SettingsflameworkMy Documents> Move-Location
C:>

Which command will be invoked?

Get-Which.ps1 は、ユーザーがコマンドを入力したときに、実際に起動するコマンドを検索するスクリプトです。

用例1: sort と sort.exe

PS> Get-Which sort
CommandType Name Definition
———– —- ———-
Alias sort Sort-Object
Cmdlet Sort-Object Sort-Object [[-Property] <Obje…
PS> Get-Which sort.exe
CommandType Name Definition
———– —- ———-
Application sort.exe C:Windowssystem32sort.exe

用例2: C:

PS> Get-Which C:
CommandType Name Definition
———– —- ———-
Function C: Set-Location C:

実装:
Get-Which.ps1 は、現行の PowerShell がコマンドを検索している規則に従ってコマンドを検索し、表示しています。したがって、PowerShell のバージョンアップに伴って検索規則が変わった場合、正しく検索されない可能性があります。
 


クリップボードを簡単に使うスクリプト

Use-Clipboard.ps1 は、クリップボードの内容を取得・設定するスクリプトです。(Invoke-StaThread.ps1New-Delegate.ps1 が必要) 用例1: 文字列「Hello World!」をクリップボードにコピーする

PS> ‘Hello World!’ | Use-Clipboard

用例2: クリップボードの内容を取得する

PS> Use-Clipboard
Hello World!

用例3: ビットマップを作成してクリップボードにコピーし、ペイントを起動してそれを貼り付ける

PS> $bitmap = New-Object Drawing.Bitmap(100, 20)
PS> $graphics = [Drawing.Graphics]::FromImage($bitmap)
PS> $whiteBrush = New-Object Drawing.SolidBrush('White')
PS> $graphics.FillRectangle($whiteBrush, 0, 0, 100, 20)
PS> $font = New-Object Drawing.Font('MS ゴシック', 10)
PS> $blackBrush = New-Object Drawing.SolidBrush('Black')
PS> $point = New-Object Drawing.PointF(5, 5)
PS> $graphics.DrawString('Hello World!', $font, $blackBrush, $point)
PS> $bitmap | Use-Clipboard
PS> $process = [Diagnostics.Process]::Start('mspaint.exe'); [void]$process.WaitForInputIdle(); Start-Sleep 1; [Windows.Forms.SendKeys]::SendWait('^v')